最近フレックス勤務という言葉を聞くことが多くなった方もいるはず。
今回はそんな今話題のフレックス勤務という働き方について解説していきます。
フレックス勤務とは?
フレックス勤務とは、一定の期間について労働者自身が始業・終業時間を選んで出勤する制度のことです。労働時間の長さは、定められた枠の時間(清算期間)の中で選択することができます。
つまり「何時に出勤し、何時に退勤するか」「毎日何時間働くか」は労働者一人一人自由に決められるのです。その他フレックス勤務と同じような働き方には「時差出勤制度」や「裁量労働制」といった制度もあります。
ただしこのフレックス勤務は、全ての企業が導入しているわけではないので就業規則で確かめてくださいね。
フレックス勤務を導入している企業には、一人でも業務ができるIT関係などの情報通信業で多く取り入れられています。
【フレックス勤務の労働条件】
- 清算期間は最長3ヶ月
- 1日の労働時間は8時間
- 1週間の労働時間は40時間~44時間の範囲で設定する
※1日8時間、週40時間を超えた労働時間については残業代を請求できます。ただし清算期間に注意。
メリット
ではメリットを見てみましょう。
①満員電車での三密や渋滞を避けられる
フレックス勤務の1番のメリットは、三密(密閉・密集・密接)になりやすい通勤ラッシュを避け通勤できることです。
午前7時~9時というのは、通勤または通学する人も集中する時間帯なので人が密集します。
たとえば、出勤時間を10時にずらすことで満員電車(バス)を避けられます。マイカー通勤をしている人であれば、通勤ラッシュ渋滞を避けられますよね。
②自由に勤務時間を設定できる
出勤や退勤の時間は、会社の指示なく自分で設定することができます。
そのため自由な働き方ができ、時間配分も自分で行うので集中して効率よく働くことが可能です。効率を上げて仕事ができる分、残業時間も減らせますね。
③仕事とプライベートの時間を調整しやすい
仕事とプライベートの時間を、バランスよく調整し勤務できるのもメリットです。
たとえば朝、病院や市役所に寄りたいときや、子供がいる家庭では保育園の送り迎えの時間に合わせたいなど日によって勤務時間を調整することもできます。
デメリット
フレックス勤務には、メリットだけでなくデメリットもあるので見てみましょう。
①部署内での連携がとりづらくなる
人によってそれぞれ出勤時間がまちまちなので、連携体制が必要な部署ではお互い連絡がとりにづらくなります。
そのため仕事の打ち合わせが急遽必要になったときなどは、それぞれスケジュール調整するのは難しいですね。
限られた時間内でしか打ち合わせができないとなると、仕事もなかなか進まずクライアントに迷惑がかかってしまう、といったことが出てくる場合もあります。
②時間にルーズになりやすい
特に自己管理が苦手な人は、時間にルーズになりやすいですね。
フレックス勤務は、毎日働く時間も決まっていないため全て自己管理の下に成り立っています。そのため計画をしっかり立てていないと、かえって仕事の効率を下げてしまうといったことになります。
しっかりと自己管理に努めましょう。
③取引先とのトラブルが起きやすい
フレックス勤務をしていると、出退時間がまちまちになるため「連絡をしても返信がすぐにもらえない」といった不満が取引先から出てくる可能性もあります。
そのようことからトラブルにならないように、事前に取引先へは出社時間を連絡しておくとよいでしょう。あなたの代わりに対応してくれる担当者を作っておいてもいいですね。
フレックス勤務・マイカー通勤が可能な仕事とは?
ここでは、フレックス勤務できるお仕事を紹介します。
事務所へ寄らず直行直帰OKのマイカー通勤ができるお仕事もあるので参考にしてみてくださいね。
①ITエンジニア
ITエンジニアは、コンピューターを動かすためのシステムを設計するのが主なお仕事です。高収入で安定のお仕事ですが、専門職でもあるためそれなりのスキルや知識を身につける必要があります。
お客様が「どんなシステムを求めているのか?」など、要望を聞きながら修正してしシステムを完成させていくのでコミュニケーション能力も必要となります。
いろんな仕事内容のスキルやキャリアを積んでいくと、プログラミングも任せてもらえるようになるのでとてもやりがいある仕事です。
ITエンジニアはスキルが浅くても、需要も多い職種なので転職にも向いていますね。
②WEBデザイナー
WEBデザイナーのお仕事は、フレックス勤務はもちろん在宅ワークもできます。
仕事内容としては、クライアントから依頼されたものを構成からコーディングまでの作業を行います。企業によっては、プログラミングや文字コンテンツ制作にも携わることもできるのでやりがいあるお仕事です。
特別な資格は必要ありません。絵を描くのが好きな人は、WEBデザイナーのお仕事を始めてみてはいかがでしょうか。
WEBサイトを中心としたお仕事は、需要も高まりつつあります。パソコンさえあれば、働く場所や時間を問わずできるので家にいながら在宅ワークしたい人にもおすすめです。
在宅ワークには、他にもスマホアプリ関連・ライティング・データ入力などがありますよ。
③タクシードライバー
タクシードライバーのお仕事は、地域密着型でできるお仕事です。
普通自動車第二種免許を持っている人であれば誰でもタクシードライバーになることができます。
比較的日中に自由な時間ができるので、家族と昼食を食べるなど空き時間を有効活用できるのも特徴です。
タクシードライバーといっても、駅に待機しているタクシー運転手だけではありません。
ご高齢者を自宅から病院や買い物などに送迎する「ケアタクシードライバー」や、子どもの学校や塾への送迎をする「キッズタクシードライバー」のお仕事もあります。
観光地が多い都道府県住みで観光に興味がある人であれば、パワースポットやシンボルタワーなどの観光地にお客様をお連れする、観光タクシードライバーもおすすめ。
観光案内ができる資格取得をすれば、観光タクシードライバーとして働けます。未経験から始める人も多く、収入アップにもつながるので是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
④宅配ドライバー
宅配ドライバーのお仕事は、直行直帰が可能で基本自由出勤です。
好きな時間帯を選んで業務することができるので、子育て中のママや子どもの送り迎えなどにも合わせやすいお仕事ですね。
仕事内容としては、個人宅や企業へ荷物を運ぶだけのシンプルなお仕事で配達エリアも自分で選べます。
運ぶ荷物の大きさを心配している人もいると思いますが、大きなものでもスーツケースくらい。一人で持ち上げられない重さの荷物はないので、男性だけでなく女性の人も多く働いています。
自家用車を持ち込んで業務している人が多いですが、荷物を載せられる車を持っていない人や、自分の車を使用するのに抵抗ある人は、車両レンタルすることもできるので気軽に相談してみてくださいね。
⑤塾スタッフ
塾スタッフのお仕事は、その名の通り塾の先生です。生徒の学習指導をするだけでなく、保護者への対応や塾内での事務作業的な仕事もします。
集団指導または個別指導があり、小学生や中学生を中心に指導にあたります。普段の日は、午後から業務にあたることが多いですね。春休み・夏休み・冬休みの期間は、午前中から勤務することもあります。
大卒以上の学歴があれば、未経験からでも始められるお仕事です。
ただし生徒一人ひとり学力を伸ばすサポートにあたるため、特にコミュニケーション能力が高い人に向いています。
人に教えるのが得意な人は是非チャレンジしてみてはどうでしょうか。
フレックス勤務をおすすめしたい人
ここでは、フレックス勤務におすすめしたい人を紹介します。
自己管理ができる人
フレックス勤務は、自分でスケジュールを立てるためしっかりと自己管理ができる人におすすめです。
会社からの指示がないと、どうしてもルーズになりがちなので自分一人でも責任もって計画的に仕事をすすめられる人に向いています。
朝の通勤にストレスを感じている人
朝の満員電車はもちろんのこと、マイカー通勤であれば数分出遅れただけで交通渋滞にはまり遅刻寸前と言った経験ありませんか?
雨の日は特に混雑が見られ、朝からストレスがたまりますよね。
少しでも混雑した時間をさけ通勤を楽にしたい人はおすすめです。
朝起きるのが苦手な人
朝起きるのが苦手な人、多いのではないでしょうか。目覚ましをかけていてもすぐに起きられず、いつもギリギリ。
朝は10分でも貴重な時間なんですよね。それが1時間~2時間遅く出勤できるフレックス勤務だったとしたらとても心強いです。
前日残業で遅くなってしまった人も翌日ゆっくり出社できれば、頭もすっきりし効率よく仕事ができますね。
プライベートの時間を有効活用したい人
朝または夕方の時間もしくは、平日の時間を有効活用したい人におすすめです。
定時で働いているとなかなか行けないところってありませんか?
たとえば、病院や市役所です。行く頻度は少ないにしても、出社時間を遅くしたり退社を早めたりすることで遅刻や休暇をとらずにすみますよね。
あと小さいお子さんがいる家庭では、保育園の送り迎えも時間に余裕が持てるようになるので、子どもをせかして用意しなくてすむので、イライラもなくなりますよ。
注意点
注意点もしっかり確認しておきましょう。
会社の就業規則に規定してあること
残念ながらフレックス勤務は、就業規則に規定されている企業でないとできません。
定時で働いている人が「フレックス勤務をしたい」と会社に申し出ても、就業規則に記載されていない勤務内容は許可してもらえないので注意しましょう。
必ず出社しなければいけない時間帯がある
労働者が自ら自由に出勤時間は決められますが、何時でもいいわけではありません。
会社側には「必ずこの時間帯は出勤してください」と言った時間帯を設けています。その時間帯以外であれば、いつ出勤していつ帰宅してもいいのです。
※企業によっては、必ず出勤する時間を設けていないところもあります。
清算期間中の残業代に注意
フレックス勤務の労働では、実際に労働した時間とあらかじめ設定した総所定労働時間を清算する「清算期間」というものがあります。
ここで注目したいのが残業代です。
1ヶ月単位の清算であれば割増賃金(残業代)が発生するけど、3ヶ月単位で清算する場合は割増賃金が発生しないこともあります。
つまり清算期間が3ヶ月の場合、3ヶ月のトータル労働時間で計算されるため、時間外労働が発生した月があっても、所定労働時間に満たない月があれば相殺されるということですね。
相殺しても尚、時間外労働がある場合は残業代を請求できます。逆に総所定労働時間に満たない労働であれば、その分減給されるので注意しましょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
フレックス勤務は、朝の満員電車や交通渋滞を避けられるためストレスなく出勤できるメリットがありますが、社内または取引先とコミュニケーション がとりづらくなるといったデメリットもあります。
まだまだフレックス勤務を取り入れている企業は少ないですが、分散した出勤は三密を避けられます。
メリットとデメリットを注視し「フレックス勤務」という新しい生活様式を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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